


kojire meshi

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媚びたっていいじゃない
ポエムだっていいじゃない
造り手の想い、空間、サービス
五感を通じ感じたコト
私なりの解釈でお届けします。

おしょくじ処 天真爛漫
神奈川 県川崎市
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" ヤングコーンってなんだかんだ、
ヒゲが一番旨いですよね。"
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エイヒレ、唐揚げ、
揚げ出し豆腐。
栃尾あぶらあげ焼き、
皮付きヤングコーン炙りチーズのせ。
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ざっかけない会話
気取りの無いひととき。
どんな1日だろうと
ビールと串焼きがあれば上々だ。
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今日はもう切り上げて、
ビールにしませんか。
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loveワインとビストロのお店
東京 世田谷二子玉川
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"温かいシェーブルチーズのサラダ"
優しい酸味とカビ由来のピリッとした刺激。
塩味を受け止める小麦感がまた最高で。
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前歯で齧っては、
ワインで迎え撃つ。
膨らむ香りが飽和して、
鼻腔を抜ける豊かさに溺れる。
感嘆の声が漏れると共に、
グラスを持つ手の小指が立つ。
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神奈川 鎌倉市長谷
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長い付き合いながら、
絶対にこの投稿を見ることのない貴方だからこそ、
敢えてここに書き連ねようと思う。
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貴方はヒトの良い部分を
引き出すのが本当に上手い人。
才能を切り分けて認める事ができる人
自身を削って経験させる事ができる人。
そんな貴方がいてくれたからこそ、
今の私を育む環境がある。
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私の企画する飲み会には
基本的に参加したくないところも
晩餐会のような食事会に
ジーパンでくるところも
どんな場所でも、どんな天気でも
誕生日を祝ってくれるところも。
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全てが最高です。ありがとう。
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東京 江東区潮見
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" いつまでも野心的。"
ブラックホール。
吸い込まれそうな夜景。
眺めているだけで、
説得力のない甘美な言葉が
口の端から溢れそうになる。
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ガッとかぶりついた
その前歯が味覚を伝える。
マッチョな肉感、
溢れる旨味がダイレクトに
脳に刺激を与える。
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噛み締めた時間を反芻する。
自然と心に力が湧き、
少しだけ我が儘にさせてくれる。
いつまで経っても、
何度訪れても、胸を張らせてくれる場所。
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神奈川 川崎市中原区木月
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"誰かの歩んできた物語は
扉の向こうに安らぎを求め、
酒と共に語られ、
店の歴史に居を定める。"
✥時世の移り変わりを背に
ますますその輪郭は鮮明になる。
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"ホタテとサフランのリゾット"
黄金色の絨毯が広がる。
米の一粒一粒を優しく包み込む出汁。
フワッと立ち昇る
淡く芳しいサフランの香り。
踏み締めるたびに伝わる
高揚感が心を豊かにしてくれる。
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のこる余韻の向こう側、
無意識に店内を見渡して
歴史の片鱗を探してしまう。
築き上げてきた歩み、
そのひと口に触れて、
改めて感嘆の息が漏れる。
このため息が折り重なって、
いつか黄昏になってくれたらいい。
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神奈川 川崎市中原区市ノ坪
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"この幸せな感覚は、いったい何なんだろう。"
みじん切りの飴色たまねぎ
豚肉、福神漬け、
出汁の効いた蕎麦つゆ。
カレー粉を丁寧に育て上げた
甘く淡く、優しいカレー。
飲み干す麦茶までも
隠し味にしてしまう。
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"いらっしゃい、
今日は大盛りでいいかい??"
磨き込まれたコミュニケーション
余計な言葉はいらない。
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"お会計おいとくね〜。"
"まいどっ。またお願いします!"
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まるで昭和のドラマのような情景。
自身でトレーに代金を支払い、
前客の支払った代金からお釣りをとる。
決して当たり前ではない
信用あってこそのやりとり。
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目に映る全てが、
慈しみ深く、慎み深い。
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神奈川 川崎市麻生区万福寺
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甘さを含んだ風が
撫でるように肌に触れる。
日差しの暖かさと風の柔らかさが
言い表せないほどに調和する。
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気づけば初めましてから早1年。
その間お邪魔する事16回。
興味が尽きる事はなく、
毎回が本当に楽しみだった。
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"カニとブルーチーズの茶碗蒸し"
蟹、椎茸、卵、ブルーチーズ。
経験に裏付けされた
当店不動のスペシャリテ。
その響きに誰もが耳を疑い
その味わいに誰もが頷く。
素材の調和に
心身がほぐされる。
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"次はいつ来れるかな。"
くすぐる夜風にため息ひとつ。
沁み渡る余韻に心を預ける。
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東京 世田谷区二子玉川
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" 絶え間のない日常にひとつまみのココナッツを。"
"南部ブン・タウ コロコロバイン・コット"
ココナッツと米粉を用いた
日本のたこ焼きを感じさせるひと皿。
そのかわいらしいルックスに、
危うくおじさんの中の女子が目覚めそうになる。
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まろやかな質感と
ふわりと抜けるココナッツの香り。
風土の力強い風味を
柔らかく仕上げたアプローチ。
どこか懐かしさを感じる
浸透力のある味覚。
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滲み出す熱帯のエッセンスに
敷居なく触れられるリラクゼーション。
此処は二子玉川の小さなヴェトナム。
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神奈川 川崎市
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" 明日も頑張って下さいね。"
その背中押しがあれば、
どこまでも行ける気がする。
賑わう商店街から路地へ入ると現れる
落ち着いたファサード。
柔らかなタッチの
"izakaya"の文字に
どこかホッとする。
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"いらっしゃいませ!
お待ちしておりました!"
笑顔で手を振りながら
迎え入れてくれるような、
溌剌としたもてなし。
令和5年3月21日オープンの当店。
カウンターには
祝いの花と笑顔が
ずらっと咲き誇る。
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"ちょいとマルゲリータ"
そのキャッチーさとは
裏腹に"しっかり"とした
満足感のある味覚。
多くの胃袋を助ける
粋な計らいに顔が綻ぶ。
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息が詰まりそうな毎日の中で、
"しっかりしなさいよ"と、
笑いながら呼吸の仕方を思い出させてくれる。
誰もを受け入れてくれる
懐の深い、オトナの止まり木。
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これから時間をかけて、
この街、この商店街の
背中を押す存在にきっとなる。
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ワインと炭火焼harao
神奈川 川崎市
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" つまみ"
過ごす時間の安らぎに
心を絆されてもいようが、
実は自らの人生の端を
見つめているだけなのかも知れない。
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春風に身をゆだねるように
目の前を吹き抜けて行く
日常のあれやこれや。
ふわふわと飛んでいくモノあれば
所在無げにいつまでも漂っているモノもいる。
心の縁に溜まったモノを
つまんでかざして見せる。
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"今日、実はこんなことがあったんです。"
口の端から
溢れては消えていく
他愛の無いハナシ。
でもきっと
それは心に優しくて
酒とすごく合う。
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FRICO
神奈川 川崎市
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"日常の延長線上にある非日常。"
モトスミ・ブレーメン通り商店街。
界隈でも随一の活気に溢れる通り。
賑わいから逃れた路地に佇む
味わい深い様相の当店。
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タヴェルナの名を冠する
肌馴染みの良いやわらかい空間。
それと見事に反比例する
ひと口で伝わる情熱。造詣の深さ。
振れ幅は熱量となり
訪れる誰かの心を支える。
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仕事帰り、買い物帰り、散歩みち。
振り返ればそこにいてくれる
その安心感。
何気なく笑いかけてくれる
そんな暖かさ。
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思わず唸る。
頼りがいのある
その在り方。
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Noctambule ノクトンブル
東京 世田谷区祖師ヶ谷大蔵
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"これは春ですね。"
一周まわって語彙が吹き飛ぶ。
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"ウニとしらすの塩スープパスタ"
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スープの質量を超えた春がそこに在る。
鼻先をくすぐる塩塩梅が、
港町の潮風を彷彿とさせる。
ギュッと詰め込んだ素材の豊かさが、
スープの中で爛漫に花ひらく。
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気道を抜けて立ち昇る余韻。
ゆるやかに吹き抜ける淡春の報せ。
風味豊かに、酔いうらら。
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Kappouとよふく
神奈川 川崎市新百合ヶ丘
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"あした、春が来たら"
花粉をなんとかして欲しい。
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"子持ち昆布フライ"
ぷちぷちとサクサク。
食感のオノマトペに心が沸く。
口内で弾ける強い旨みを
タルタルがやさしく抱き締める。
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リズミカルに刻む食感が、
心浮く季節の到来を教えてくれる。
芽吹きをビールで拭う。
喉を通る爽やかさに、
心と気道がハナ開く。
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loveワインとビストロのお店
東京 世田谷区二子玉川
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仔羊に沈没する。
したたる肉汁の表面張力。
躊躇い、感嘆が漏れるテクスチャー。
ナイフを入れて
こぼれた旨みを、
再度ぬぐって抱き締める。
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噛み締める度に溢れるエキスが
口の端から逃げ出しそうで
思わず顎が上がる
どこまでも清澄な動物感。
深く深く溺れて沈む。
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ふと顔を上げると、
黄金色の頂の向こうに
猛るワカサギの魚雷が見える。
もう浮上することは
叶わなそうだ。
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神奈川 川崎市麻生区百合丘2-9-7 102
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" ご飯おかわりしてくださいね。"
親子の温もりをギュッと詰めた
やすらぎ沁みる街のフレンチ。
"あら、こんばんは。"
シェフのお母様の柔らかなもてなしが、
冷え切った心身をやさしく拭う。
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"ビール、あったかしら。"
街の洋食屋と括るには
あまりにも繊細なひと皿。
細部にまで行き渡る趣向。
視覚に美味しさが飛び込んでくる。
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"ありましたよ。最後の一本。"
ライスはお茶碗で。
ハンバーグを一切れ乗せて
口いっぱいに頬張る。
噛み締める度に伝わる
口福に胃の腑が鳴く。
その親しみ深い
朗らかな笑顔に心が泣く。
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全てを許してくれるような
優しい時間。
きっと今日もまた、
街の誰かの想いに寄り添い
そっと心をあたためている。
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東京 世田谷代々木
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" 働くオトナの義務教育。"
渋谷区、代々木上原駅より
鼻歌ワンフレーズで辿り着く赤提灯。
この地で40余年の老舗居酒屋。
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壁一面に貼られた品書きが
煙で燻されて一段の風合いを纏う。
空間に刻み込まれた歴史。
可視化された時間の流れが、
胃の腑に優しく降り積もる。
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冷奴、銀杏、揚げにんにく。
ナス味噌炒め、ゴーヤ炒め
赤ウインナー、おでん、チャーハン。
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口内に寄り添う味覚が、
今日一日の無事を伝えてくれる。
飲み干すビールが、
明日への踏み出し方を教えてくれる。
気取りのない優しい笑顔に
暖簾が揺れる。
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街、店、人、歴史。
これが今の僕らの先生だ。
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東京 世田谷祖師ヶ谷大蔵
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" 今日はエビ寄りです。"
シェフはそう言いながら、
ブイヤベースのリゾットを
朗らかな笑顔で供してくれる。
呆れるぐらい濃厚で、
甲殻類の好意的な印象を詰め込んだ
風格のある逸品。
つくり手の人柄を顕すような
力強くもインテリジェンスな味覚。
ひとしきり楽しんでから
私は口を開く。
.
"カニの味がします。"
もうダメだと思った。
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ノクトンブル=夜遊びをする人。
世田谷の奥座敷。
閑静な街にたたずむ
大人の社交場。
レストランと違えるほど
ひと皿に注ぎ込まれた情熱と
肌馴染みの良い
小慣れた空間に口角が緩む。
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この巡り合わせに感謝すると共に、
これまでの道程の長さに嘆息が漏れる。
過ぎる時間の濃厚さに
身を絆される。
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東京 武蔵小杉
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" どこから話そうかな。"
過去一度きりの訪問
空いた時間が距離を生む。
それでもなお、
味覚は記憶に鮮明で。
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"煎りアーモンドが忘れられなくて。"
炭火焼、ワイン、ジビエを推す
当店に於いてまさかのワードチョイス。
"覚えてますよ。"
迎える言葉に救われる。
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此処は以前と変わらない。
人の想いを紡ぎ、笑顔の生まれる
居心地の良い場所。
人と人を、人と街をつなぐ
オトナの止まり木。
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帰り道、寒空の下、
ホッと安堵のため息。
覚えていてもらえることが
こんなにも嬉しいとは。
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東京 世田谷区 二子玉川グル
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" 愛を込めて花束を。"
大人の誕生日は少しこそばゆい。
華美さはなくとも
刻んできた足跡が、
確かな重厚さをもって
花やかに色濃く露出する。
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生ハムが薔薇の花びらのよう
洋ナシに成熟した厚みを添える。
"大げさかも知れないけど受け取って下さい。"
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まさか男性に花束を渡す日が来ようとは。
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酒場 まるしゑ
東京 渋谷 代々木
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" 女性はみんな大女優だよ。"
代々木上原駅から
走り幅跳びで辿り着く杉玉。
おばんざいから〆まで
飲み放題込みで3,000円。
この立地で目を疑う懐深さ。
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"500円で飲み放題30分延長出来ますよ??"
新年早々、笑顔満開で
そんなこと言われたら、
"1時間でお願いします。"
脊髄反射で返さざる得ない。
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女性が手がける
やらわぎの空間。
勘違いしそうなぐらい
親しみやすく、慈しみ深い。
こういうお店と出逢うと
飲める幸せを実感する。
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とんかつ かつ一
東京 荒川日暮里
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" ホンモノは黒いんだよ。"
店へと向かうタクシー。
窓の外を眺めながら、
有識者の力説に耳を傾ける。
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噂に違わぬインパクトのある衣
ザクザクと心地が良い。
優しく火入された赤身
歯がいらないほどに穏やかな食感。
前歯が幸福を伝えてくれる。
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"世界イチうまいだろ?"
無言で何度も頷き返す。
美味いとんかつはカニ以上に黙る。
手切りのキャベツがまた優しい。
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"何枚食っても翌日スッキリしてんだよ。"
カツも大人も少し黒いぐらいが
ちょうどいい。
3人で12枚のとんかつを平らげた
今後覆ることのない歴史的な夜。
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アイビープレイス
東京 渋谷代官山
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" 出汁が目に沁みる。"
街が眠る一月三日。
いつもとは違う、
極彩色の街明かりが漏れ届かない
落ち着いた夜。
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逃げ込むように駆け込んだ
代官山の楽天地。
モダンでボーダレスな味覚は、
色彩豊かに心を染め上げてくれるはず。
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"本日のスープはお雑煮になります。"
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眩暈がするほど鮮やかで、
遠すぎたあの空。
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loveワインとビストロのお店
東京 世田谷二子玉川
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" 年始ハザード "
正月三が日。
連日の度重なるお節の猛攻により
血液まで出汁に支配された人々。
"なにか違うものが食べたい。。"
うわ言のように呟く言葉は
正月特番の笑い声にかき消されていく。
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"このままではいけない。"
自らを奮い立たせ、
弾かれるようにコタツから飛び出す。
一縷の希望を胸に
ビル風吹き荒ぶ飲食街を練り歩く。
しかしそこに待つのは
封印札のような休暇の張り紙。
そして鳴らない電話。
.
"ウソだろ。。"
うなだれるように
ガラス扉にもたれかかる。
もう力は残されていなかった。
明かりの灯らない飲食店。
ガラスに映る自分の姿を見てギョッとする。
.
呼吸を整え、
辺りを見渡すと
そこには自身と同じく、
飲食店を求め彷徨う
"ゾンビ"となった人々の姿があった。
.
※文章と写真、お店とは何の因果もございません。
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✥

東京 神田神保町
✥
.
多くの人から称賛を浴びて
有名にならなくてもいい。
お客がいっぱい入って繁盛しなくてもいい。
ただ、少なくてもいい
自分ひとりだけでもいい。
この店は"自分にとって最高だ"って。
そんな風にお店を愛してくれるお客さんが、
きっと此処には沢山いる。
.
栗の渋皮揚げ
白魚、くわい。
冬の秋刀魚。
せりの根、えび芋、白みそ。
温めた酒を
噛み締めながら呑み込む。
.
おなかもこころも
満たしてくれる暖かなあかり。
灯りの周りには人が集まり、
灯火を絶やさぬように守る。
人は明かりを求め、灯りは人を照らす。
これからもきっと、
あかりは人々に寄り添い、
そっと優しく照らし続ける。
.




✥

東京 神田神保町
✥
.
多くの人から称賛を浴びて
有名にならなくてもいい。
お客がいっぱい入って繁盛しなくてもいい。
ただ、少なくてもいい
自分ひとりだけでもいい。
この店は"自分にとって最高だ"って。
そんな風にお店を愛してくれるお客さんが、
きっと此処には沢山いる。
.
栗の渋皮揚げ
白魚、くわい。
冬の秋刀魚。
せりの根、えび芋、白みそ。
温めた酒を
噛み締めながら呑み込む。
.
おなかもこころも
満たしてくれる暖かなあかり。
灯りの周りには人が集まり、
灯火を絶やさぬように守る。
人は明かりを求め、灯りは人を照らす。
これからもきっと、
あかりは人々に寄り添い、
そっと優しく照らし続ける。
.




✥

神奈川 川崎市新百合ヶ丘
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.
"求められる存在"
.
昨今より飲食業界にも
広く浸透している
「何に使うか?」から
「誰に使うか?」という
「コト消費」から
「ヒト消費」への移り変わりは、
この時世に於いて
また一段の加速を得たように感じます。
.
地域に愛され、循環を促し、
還元を齎すこと事のできる存在は、
関わる人に感動を提供できる
中心的なソースとして、
今まで以上に求められるようになります。
.
多元的な時代の中で
唯一、普遍的なことは、
人が人を求めること。
「この人に会いに行けば、
何かが起きそうな気がする。。」
そう思わせてくれる存在が
明日を生き抜く誰かの拠り所となる。
.
此処はいつも多くの人が集まり、
多くの感動が生まれる場所。
これから益々、
注目を集める場所に成る。
.




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北海道 小樽
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.
"ビールが通った道をシルクロードと呼ぶ(泡)"
.
時季の素材を活かした和食
豪快かつ繊細な本格中華。
二兎を追える
和漢を折衷をしない
その愉悦。
選択肢を一つに絞らない贅沢。
誰しもが諦めた昨日の選択を救う
垂涎のひととき。
.
"日替わり単品飲み放題"
声に出して読みたい標語。
サッポロクラシック、
トルネードスーパードライ
地酒から銘酒まで破竹の顔ぶれ。
気前よく、慈しみ深い。
.
飲み干したグラスに残る泡。
指でなぞって辿る冬の足跡。
.




✥

北海道 小樽
✥
.
"郷土が風味を醸し出す。"
.
創業は戦前。
80年余りの歴史の中で
築き上げてきたその風格。
"小樽寿司屋通り"発祥の地で暖簾を掲げ、
小樽を代表する鮨屋となるまでに至った
その気概。
気丈な心意気と
明日を拓き進む姿勢は
時代を超えて人々を巻き込み、導く。
.
"いかそうめん"
特製のたれに
雲丹と玉子を入れてよく混ぜる。
風味が濃厚な丸みを帯びる。
しっとりとした食感
奥歯でぎゅっと噛み締める度に
甘みが滲み出す。
思わず笑みが溢れる。
じわじわと味擂に染み込む
海の味わいをただただ堪能する。
.




✥

北海道 札幌 すすじの
✥
.
"このひと皿の為に。"
.
"ポルチーニのタヤリン"
持ち上げたパスタが
キラキラと黄金色に煌めく。
なめらかな麺肌と
ポルチーニが手を繋ぎ、
ナチュラルに口内に寄り添う。
元来、一つの食材であったかのような
渾然一体とした味覚。
シームレスに五感に浸透する。
.
料理が呼吸し、
豊かさをはき出している。
近年を振り返っても
指折りの体験。
足を伸ばしてでも
時間を作ってでも
食べる意義のあるひと皿。
.
雪あかり照らす街の
キノコに精通したイタリアン。
芽吹きの季節にもう一度。
.




✥

横浜 川崎 新百合ヶ丘
✥
.
" あ、そう!ほんとに!?"
おじさんは喜びを隠せない。
.
"白子の春巻き"
パリッとした衣に
粉雪がふりつもる。
中からトロリと顔を出す
待ち焦がれた豊潤。
口の中に冬が来た。
.
"焼白子寿司"
なんでも出来るとは
聞いていたけど、
想像を遥かに上回る
そのスケール感に
語彙が吹き飛ぶ。
小難しいことは抜きにして
白子の海に溺れよう。
.
食が身体に季節を届ける。
食が心の均衡を保つ。
.




✥

福岡 博多
✥
.
"またここに戻ってきましょう。"
.
起ちゆらぐ香ばしさ
冬の無色透明な空気
大きく深呼吸。
炭火で炙った椎茸。
その身から湧き出すのは
感情の上擦り。
一滴たりとも零すことなく
手を添えて飲み干す。
.
"あれ?さっきまで
コヤマパーキングにいましたよね?"
当店は、姉妹店から徒歩数分の立地。
空間を途切れさせることなく
繋ぐことが出来る。
むしろその数分間の散歩が
さらなる酒呼水となる。
満を辞して迎えた夜
余すことなく
今を飲み干し切る。
.




✥

福岡 博多
✥
.
おじさん達は、
ビールを飲み干すと
泣きそうな顔になる。
.
"手羽中の一夜干し唐揚げ"
外は"パリッと"
中は"しっとり"を
徹底して突き詰めたひと皿。
食感、旨みのオノマトペ
噛み締めるほどに
五感に響き渡る。
.
飲み込むのが惜しくて
そのままビールで流し込む。
喉元がキュッと締まり
顔がクシャッとなる。
なんとも味わい深くて。
なんだか涙が出そうになる。
.
終わらせたくない時間。
手羽なしたくないひととき。
.




✥

東京 世田谷祖師ヶ谷大蔵
✥
.
男も女も哀も憂いも歓びも
燻る香りにくすぐられ
肩を組み合い、いざ酔わん。
.
するりと手のひらをすり抜ける
不忍の風。鈴虫の声
立ち昇る薫香。
内側から暖かくなる秋の寛ぎ。
.
"あら、いらっしゃいませ。"
幾層にも重なるもてなしは、
故郷のような温もり。
歩みを重んじ、
地に愛される在り方に胸を張る。
気丈な心意気
明日を切り拓く姿勢は
後世に伝い、導く。
.
育まれているのは
歴史か、自分自身か。
居住まいを正し、
追い掛けるように
呷る一献の嬉し水。
.




✥

Vin apéro - ヴァン アペロ
東京 世田谷祖師ヶ谷大蔵
✥
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"お酒を楽しんで頂けたらと思いまして"
.
朗らかな笑顔でご主人は、
スパークリングワインをなみなみと注いでくれる。
.
"黒トリュフのパイ包み、ソースペリグー"
トリュフを丸ごと頬張る愉悦。
ギュッとした力強い肉感と
森を噛み締めるような
深い芳醇さに感覚を奪われる。
追いかける赤ワインで
意識をひきずり取り戻す。
.
世田谷、祖師ヶ谷大蔵。
あたたかなご家族が営むビストロ
身内のやりとりに心が和む。
.
ご主人の人柄が現れる誠実な仕事。
耳に馴染むアコーディオンの音色。
色ガラスの照明が目に優しい。
フランスの石造りの街を思い起こさせる
かわいらしく、どこか懐かしい空間。
隅々からじんわりと暖かさが滲み出す。
.
美味しい食事と気の利いたワインを
ゆったりと時間を忘れて愉しむ。
帰り際、店頭の看板に
家族の笑顔がまるく映える。
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銀座くらはし はなれ
東京 銀座
✥
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"せいろそば"
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幾つもの星がながれた秋の夜。
ゆらりゆらりと流れ着く。
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キリッと角の立った蕎麦を
二、三本手繰り込む。
鰹の効いたつゆを
少しだけ。
箸をあげて、
勢揃いした蕎麦を
小気味よくすする。
.
酒が染み渡った喉を
清澄な小麦が拭っていく。
滑らかな蕎麦肌が
喉をながれ落ちる感触。
湧き立つ香り、甘み。
濃くも淡くもある
懐深い味覚。