


kojire meshi

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媚びたっていいじゃない
ポエムだっていいじゃない
造り手の想い、空間、サービス
五感を通じ感じたコト
私なりの解釈でお届けします。

鰻割烹 伊豆栄 不忍亭
東京 上野
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為すべきことを
そのまま自分で。
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"もうこれから先は
お前の色を出していいぞ
みせてみろ。"
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諸先輩方からの
声掛けに背筋が伸びる。
不忍池から届く湿った風を
ビールで拭う。
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築き上げ、
歴史を支えてきた
その研鑽。
時代に捉われず、
今も尚、求められ続ける
その背中。
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上野池之端で産声を上げ、
幕末の動乱、戦火、震災。
300年もの刻と共に、
その全てを信念に変えて、
暖簾を守り続けてきた当店。
.
諸兄に見守られ、
歴史の渦中に
その身を置き、
自身は今、何を思う。
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apericena
ワインバル アペリチェーナ
あざみ野
神奈川 横浜市
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大人は振れ幅がある方がいい。
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日常の中で
さまざまな自分を
行ったり来たり
その真ん中で
バランスを取る。
均衡を保つのは
簡単なことではないけれど
.
行き来をする
その動きにより
風が生まれる。
風の大きさ
強さに、薫りに、
見ている人は
魅了される。
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熱量を込めた
生ハムメロン
その振れ幅は
心に新たな風を生む。
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GARDEN HOUSE
ガーデンハウス鎌倉
神奈川 鎌倉
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日常にひとつまみのアドリブを。
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練りに練って
詰め込んだ1日もいいけれど、
たまには余白を感じていたい。
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高い空に両手を伸ばして
届きそうな雲。
胸いっぱいに風を吸い込んで
季節を感じる。
五感を使って自然を取り込む。
心が解き放たれて
生が実感できる。
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"明日のランチは鎌倉で。"
思いつきのひと言が、
ピリッと効いたスパイスになる。
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東京 江東区潮見
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ちゃんとしてる。
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"今日は我が儘でいいんだよ。"
いつも割と好きに
やらせてもらっているつもりだけど、
敢えて言わせてもらうとしたら、
"今日は何度でも
飽きることのない乾杯をしよう。"
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身の回りの環境を見渡す事で
自身を肯定することができる。
これからも
一緒にいたい人たちといれるように
力になりたい時になれるように。
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ここに来るといつも
背筋が伸びる。
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銀座くらはし・hanare
東京 銀座
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隣夏。
想いが遡上する。
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新緑、稚鮎
岩噛む急流を昇る。
青々しく、みなぎる。
飛沫く水面、
抜ける清澄な風、波紋。
力強く、爽快。
初夏を匂わせる
色の濃い透明色。
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共に過ごした時間が
磨き上げた想いが
色濃く露出する。
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臆する事なく、
胸を高鳴らせ。
流れに負けず、
飛沫をあげて立ち昇る。
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大衆酒場ビートル 野毛
神奈川 横浜市中区宮川町
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おじさん達は歳を重ねると
イチャイチャし出す生き物です。
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昼は背筋を伸ばして
大局を見極める。
厚みのある背中。
夜は酒を酌み交わし
共に語らう。
少し丸まった背中。
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次の一軒へと向かう道中
流れるネオン、千鳥足
肩を組み合い、笑う背中。
そんな所謂な景色が好きだった。
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信頼を置く目上の方々が、
子供のように
イチャイチャわちゃわちゃする。
そんな姿を見るのが好きだった。
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気づけばいつしか自身が
そんなおじさんになっていた。
こんなおじさんの背中に
憧憬を見出す
素質ある若人はいないものか。
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神奈川 横浜市中区本牧
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いつまでたっても野心的。
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太陽をビールに溶かして
ググッと飲み干す。
かぶりついた後のヨゴレ具合で
漢のイキっぷりを競う。
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いつまでも変わらないこの景色
思い出の詰まったこの場所。
目に映るすべてを手に入れてやろうと
みんなに自慢しまくってやろうと。
いつまでたっても
それが一番のモチベーション。
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PROFUMO D'ALBERO
プロフーモ ダルベロ
神奈川 横浜市都筑区
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食材の素を描写する。
素材本来の味わいを引き出し、
その成を伝える。
ひと皿を作り出していく様は、
何本もの鉛筆を使い
幾重にも線を重ねたデッサンのよう。
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ゆるやかに抜ける淡春の報せ。
色味豊かに、酔いうらら。
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○カジキマグロのカルパッチョ 瞬間燻製
○マグロほほ肉のカツレツ パネッレ添え
○Pizza 彩り春野菜
○手長エビのトマトクリームソース
タリアテッレ
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ニャーヴェトナム・プルミエ 二子玉川店
東京 世田谷区玉川
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香りが笑顔に変わる。
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"パクチー得意じゃないんだよね。"
苦手な食材が食べられるようになる
タイミングは未だよくわからない。
一度食べられるようになってしまえば
苦手だったことが懐かしくすら思える。
.
自身の思い入れのある店で、
その瞬間に立ち会えることは
変え難く嬉しい。
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一緒に食べる相手
共有する時間
食体験の質。
大人であれば自身の持つ選択肢により
苦手は緩和できるように思う。
.
気に入ってもらえて良かった。
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銀座
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明日も昨日も酒にとかして
ただただ膨らむそのひとときを
いざ悠久に感じゆかん。
.
あらゆる事には
始まりと終わりがあって
関わることが出来るは
その途中だけ。
.
今、身の回りにある環境は
未来永劫続いていくような
気がするけれど、
物事には必ず終わりがあって、
それはきっと自身が思うより
早いタイミングで訪れる。
どれだけ大切に想っていても
ある日、突然目の前から
姿を消してしまう。
.
だからこそ
今、この瞬間を大切にしたい。
手の届くところだけでも
感謝を伝え続けたい。
今、自分にできることを
探し続けたい。
.
酒面に映る景色は
変わらず笑顔が溢れて。
余韻を愉しむ為に
小さく深呼吸をする。
.




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銀座
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「今日はオカン連れていくね。」
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父を亡くして十余年。
その日まで
家族との時間など
考えたことも無かった。
長男という面目上、
家族で過ごすことも必要と思い、
暇があれば皆で
外食に出るようになった。
.
息子から見ても胆っ玉な母。
そんな母が酒の席でだけは、
少しばかりの本音を口にする。
それからというもの
2人で食事に行く機会が増えた。
.
これから先
あとどれぐらい共にする
時間があるのだろう。
どれだけの景色を見せることが
出来るのだろう。
予てからの目標であった
銀座くらはしに
連れて行くことは叶った。
.
桜ひとひら舞い降り重なる
盛春の宴と薫る青葉。
手に取っては、
浮かべて愛でる
盛旬の戯れ。
どこか面映い
母の日の前借り。
.
しんちゃん、有難う。
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ginzabeni
銀座
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居住まいを正す。
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自分で言うのもなんですが、
どんなお店に行っても
割と自然体でいれるタイプです。
そんな私ですが
こちらに伺う時だけは
何故かいつも緊張します。
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良過ぎる客層のせいか
待ち受ける感動を
知ってしまったせいか。
.
質の良い緊張感は
清涼感に似た充実を生む。
姿勢を正し、
いま何を食べているのかを
ハッキリと捉える。
豊かさを嗜むと共に
自身を顧みる。
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Kappouとよふく
神奈川 川崎市麻生区 新百合ケ丘
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さかな。
そのひと口に心を動かされてもいようが、
実は作り手の人生のへりを
見せられているのかもしれない。
.
川の流れに身を任せるように
目の前を過ぎて行く
日常のあれやこれや
さらさらと流れていくモノあれば
所在無げにいつまでも
引っ掛かっているモノもいる。
心の縁に溜まったモノを
手のひらで掬ってかざして見せる。
形、色、味
人それぞれで違うモノ
でもきっと
それはとても酒に合う。
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RELAiS Sakura
桜新町ルレ・サクラ
世田谷 桜新町
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"はじめまして"の代わりに
"おめでとう"を。
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「誕生日おめでとう。」
同日ディナータイムになんと3件。
祝い席の重なりに
となり同士が祝い合う。
自然と笑顔が生まれる
温もり溢れる景色。
互いを想い合う気持ちが
祝い日に百花を添える。
街に寄り添い
温もりを育む。
人が寄り添い
想いを灯す。
この街をそっと見守る
みんなの止まり木。
皆に愛され、
共に成長する
大きな、大きな桜の木。
.




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土と青
調布 新百合ヶ丘
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涼しさと暖かさが共にあるようで
.
引き戸の隙間から
柔らかな夜風が入り込む。
酔い身に春風
季節がじんわりと染み込む。
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花わさびの醤油漬け
うなぎの肝の山椒煮、
帆立のしぐれ煮、よだれ鶏
これ以上ない肴
空気の香り共に
胸いっぱいに吸い込む。
吐き出す感嘆のため息が
フワリと酒面を撫でる。
.
米の花ひとしずく。
胃の腑から広がる春
体の内側の温かさと、
外気の温かさが調和する。
.




✥

銀座くらはし hanare
銀座
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透き通るほど
まっさらで豊かな色彩。
.
そばの実の芯だけを用いた
真っ白な更科そば
突き詰めたその白色には
透明感すら覚える。
ほんのりした甘み、豊かな風味
名残惜しいほどの喉越しの良さ。
噛み締める度に伝わる
作り手の研鑽。
清澄な味覚が
花曇りの霞み空に
心映えする。
✥
当店は「銀座 くらはし」の新店舗。
本店は2020年4月開店という
時世に憚られることを
避けられぬ時期に起こりながらも、
人に街に愛され、着実に歩みを進めてきた。
カウンターで創意工夫を凝らした
会席料理を振る舞う本店に対し、
新店舗では四部屋ある個室にて
蕎麦懐石を楽しむ事が出来る。
ビジネスから家族の団欒まで
幅広いシーンで気軽に嗜む
くらはしの味覚。
想いを込めた一枚の蕎麦は
心浮く季節にそっと優しく寄り添う。
.
まっさらな和紙の上に
透明な色彩で書き殴る
想いを込めた新たな一歩。
.
桜花舞い散るさみしさを
蕎麦の花が力強く染め上げていく。




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ローストビーフの店 鎌倉山 玉川店
玉川
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腹に一本の竹槍を。
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男子たるもの背負い、
課してこそ花開く。
そう諭してくれる方がいる。
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腹に一本の芯を据えて、
真っ直ぐに貫き通す潔さ。
研鑽を積み重ねて50余年。
歴史を育み時代を築き上げるその度量。
.
黒毛和牛に味付けは塩、胡椒のみ。
体温でほどけ、
そっと口の中に寄り添う。
伝統的と括ってしまうには
あまりにも味わい深くて。
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背筋が伸びると共に
心に火花という名の花が舞う。
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炉端のぬる燗 佐藤
中目黒
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身体が夢を見ている。
.
炭火の暖かさが
目と鼻から入り込み、
身体中に充満する。
米の花
炭の香りを拭うように
ゆっくりと噛み締めながら流し込む。
胃の腑から全身へ
豊かさがスッと溶け込んでいく。
.
高架下、
抜ける甘い風
寒さはもう此処にはいない。
淡い夕闇、朧げな光
全ての感触が丸く柔らかい。
えいひれ、そら豆
鮭とば、帆立の貝ひも。
.
柔らかな時間の中
炉端で春を炙る。
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銀座くらはし
銀座
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冬を好きになる
春が恋しくなる。
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滋養を一身に孕んだ冬の豊かさ。
栄気に満ちた春の誇らしさ。
融け行く寒旬の名残に思い馳せ、
向かう早生の鮮色に意識を染める。
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移り変わる季節の境目特有の
ふわふわとしたこの感覚。
掴むこと叶わぬと分かっていても
手を伸ばして手繰り寄せたくなる。
.
噛み締めて捉える春夜の夢。
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○大根餅 赤海老 キャビア 柚子 金箔
○蛍烏賊とアスパラの油焼き
○アラと筍の昆布巻き 芽蕪 京人参 柚子
○大トロの叩き 芽ねぎ 花穂紫蘇 山葵
○豆乳担々麺
○北寄貝 春キャベツ
長芋昆布締め 土佐酢 生姜
○鰻の白焼き うるい 蕗の薹醤油 山葵
○ズワイガニ 白味噌グラタン 菜の花 葉山椒
○牡蠣飯
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タカズ ビストロ ヴィエス
二子玉川
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簡単だね。
難しくしているのはいつも自分で。
大好きなものをお腹いっぱい食べる
それだけで笑顔が生まれる。
それだけで何かが始まる。
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二月の黒トリュフ。
厳冬を越えて
その身に一層の豊かさを宿す。
ひと口で深い森の湿度に溺れる。
木漏れ日、照らされた鮮やかな緑苔。
土の匂い、淀みのない川の水。
透明、きらきらと光が揺れる。
深呼吸。ピンと張った冷たい空気が
頭の後ろ側まで突き抜ける。
清澄さと荘厳さを併せ持つ空間。
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深林を通り抜けた向こう側
垣間見る淡い豊かさ。
冬の終わり、そして春の訪れ。
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お腹いっぱいに季節を吸い込んで。
満たされて、笑顔で。
それだけで何かが変わっていく気がする。
次季への淡い想いを胸に
またここから一歩ずつあるいて行こう。
.
○トリュフサラダ
○トリュフの炊き込みご飯
○和牛のトリュフソース煮込み
○トリュフパスタ
○30年熟成シェリー酒と
バニラのアイスクリーム
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camino
カミーノ
横浜 センター南
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なんだかよくわからないけど
それはきっと、
この世界のすべてだ。
そう思える。
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初めて伺ったのにも関わらず、
"おかえりなさい。"
と笑って手を振って
迎え入れてくれるかのような心持ち。
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赤いチェックのテーブルクロス
ブルーグリーンの趣きのある木椅子
時間の流れを暖かく伝えるランプ
クマのぬいぐるみ🧸
目に映る全てが温かい。
.
「ホタテとアスパラガスのペペロンチーノ」
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噛み締めて
溢れる多幸感。
とっても美味い。
今は考えるより、
ただただこの幸せを享受したい。
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息が詰まりそうなこの日常に
「しっかりしなさいよ」と温かく笑って、
呼吸の仕方を思い出させてくれる。
.
久しぶりに新鮮な夜の空気吸えた気がする。
.
帰り道、見上げる星空は
我関せずと言わんばかりに瞬いていた。
.




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loveワインとビストロのお店
東京 二子玉川
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時期ハズレの紅と白。
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あらゆる色を閉じ込める
灰色の冬空。
石畳を照らす無機質な街灯が
殊更に視界から色彩と温度を奪う。
温もりという名の色を求めて
いつもの場所へ足早に逃げ込む。
.
ひと口で空間ごと
なめらかに包み込む
カルボナーラ。
ひと口で身体の周りの
大気ごと沸騰させる
アラビアータ。
.
赤と白。
対極する二つの色彩が
それぞれを象徴するような
伝え方で体温を取り戻してくれる。
陽だまりに寝ころがり
日差しがおなかを
暖めてくれているような淡い熱感。
不思議なくらい
満たされて、ほっこりと包まれる。
.
長らく観てはいないけれど
こんなに美味しい対抗戦なら
年中体験していたい。
.
夜深まる帰り道
変わらぬ景色、石畳。
ひとつ違うのは、
街灯の明かりに
今はあたたかさを覚える。
.




✥

銀座くらはし
東京 銀座
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.
新春を労う
深海の宝石箱。
.
駆け抜けてたどり着いた
深夜の晩餐。
事切れそうな意識の中
震える右手で
一心不乱にかき込む。
.
ちらしと言うには
あまりに眩し過ぎて。
酒に疲れた胃の腑に
キラキラと沈み重なっていく。
.




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&EPICURE(アンド エピキュール)
神奈川県 鎌倉市
✥
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花の寺に届く一陣の風。
花のそれではない
香ばしさに誘われて
辿り着いた一軒の古民家。
燻した梁、淡い間接照明
趣のあるモダン。
流れている時間が
既に心に優しい。
.
「発芽玄米のグリーンカレー」
.
身体にも心にも
優しい仕立て。
それでいて満ち足りている。
無意識下で求めていた
清純無垢なやさしさ
浸透する滋養に
細胞が上擦る。
.
緑と古都に親和する空間。
豊かな香りに包まれて
春を待つ。
.




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ニャーヴェトナム・プルミエ
世田谷区 二子玉川
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.
不思議なもので、
香りというものは、
自分の心の中にある記憶を
強く引き出してくれる。
.
満ち足りたハーブの生命力、
肌に馴染んだ無垢なスパイス。
.
噛み締める度に
弾ける爽快感が、
頭の裏側を貫く。
それと同時に香りが
非日常の扉を開く。
.
今は遠い記憶の原風景が
まぶたの裏に広がる。
心が解れ 意識が和らぐ。
深呼吸 余韻が全身に浸透する。
香りがもたらす
愉悦に浸かる。
.
絶え間のない日常に
ひとつまみのスパイスを。
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✥

潮見スキッパーズ
江東区 潮見
✥
.
この世界のすべてを
肯定するような懐の深い旨み。
胸がきゅっと締め付けられた。
.
じんわりと胸が熱くなって、
声を出せなくなる。
噛み締めた感動のせいか
嚥下が弱くなったせいか
喉の奥が震えてうまく言葉が出ない。
.
人間が元来求める
生命への渇求を掻き立てる。
追い駆ける赤い葡萄は
血液となり心身を駆け巡る。
.
見上げれば
いつの間にか空に月。
今年もまた美味しい年にしよう。
.




✥

銀座くらはし
✥
.
明日を切り拓く「威勢」。
囲む縁が招く「福」。
.
独自の品格を湛えるその雄渾な姿。
剛直さと繊細さが同居している。
下の奥で感じるギュッとした旨み。
喉元を通り過ぎたあとに
追いかけてくる豊かさ。
余韻を愉しむ為に小さく深呼吸をする。
.
じんわりと心が熱くなる。
.
落ち着いて
周りを見渡すと
年を労う笑顔が咲き誇る。
この景色を見ると、
口では表現できないほど
自分の人生や出会いが
とても尊いものに感じる。
.
幾世、移り変わりが起ころうとも、
人を紡ぐのは縁と恩。
繋がりを辿り、
人と人の想いはやがて福と成す。
.
この一年、手繰り紡いだ
全ての御縁に感謝を。
.




✥

鰻割烹 伊豆榮 本店 Izuei Honten
✥
.
朔風沁みて心を絆す
夜空に広がる花かがり。
.
吹き抜ける風の色が透明に近くなるほど、
無意識的な温もりが恋しくなる。
.
冬の海風慕う街
ゆったりと落ち着いて
穏やかに向き合う近海の幸。
.
肩を寄せ合い分け合う
酒と時間。
滲み出す和らぎ。
現を酒に溶かして
もたれ掛かる。
.
.
店内に響きわたる
耳を聾する轟音。
飛び出して、海岸へ急ぐ。
目の前に視界いっぱいの
冬の大輪が咲き誇る。
.
届かないと分かっていても、
手が届きそうなぐらい近くて
心が火照る。
.
童心に還り、見上げる夜空、
見つめる笑顔は咲き乱れる。
目に映る
その全てが綺麗だった。
.
どこまでも膨らむその刹那を
今は悠久に感じていたい。
.




✥

鰻割烹 伊豆榮 本店 Izuei Honten
✥
.
するりと手のひらをすり抜ける不忍の風。
陽光。
.
.
起ちゆらぐ香ばしさ
冬の無色透明な空気
大きく深呼吸。
.
頭の後ろの方に
幸せな余韻が残る。
.
追い掛けるように
呷る一献の嬉し水。
.
.
心の均衡を保つ滋養。
.
.
様変わりする不忍の景色、街の景色。
皆その中で抗っている。
.
待ち焦がれたこの刹那、
今は噛み締めて楽しもう。
.




✥

中国料理虎包
✥
.
「小さい頃ピータンって
なんとなく苦手だった。」
.
.
久方ぶりに厭わないで過ごす家族の会食。
.
オトナになってからの家族揃っての食事は、
どこか不思議な距離感。
.
.
「仕事の調子はどう?
そろそろペイできる頃?」
.
.
八宝菜の牛肉に一目散に箸を伸ばす。
.
子供と大人の両面が、
顔に張り付いて剥がれない。
.
.
「紹興酒ってプリン体多いらしいよ。」
.
.
ピータンと紹興酒の往復
手を止めることなく会話を続ける。
.
.
「この麻婆豆腐美味しいね。
醤油とオイスターソースで
舌馴染みが良い。
広東風かな。」
.
.
個性を引き立てながらも、
懐かしさを感じさせる味わい。
郷土への想いが活きている。
.
.
「年末どうすんの?
予定ないんでしょ?
これは四川式。」
.
.
麻婆豆腐の山椒がピリリと効く
.
.
中華は団欒の時間が良く似合う。
何気ないひとときが心映えする。
.




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ろばた料理 山麓園
✥
.
この温もりを連れて帰ろう。
.
.
弾ける炭の音
抜き抜ける風の透明感
全てが余計に季節を匂わせる。
.
.
築150年、重厚な合掌造りの古民家
軒先には生け簀、水車
野趣に富んだ空間。
.
.
囲炉裏に並ぶのは、
地の豊かさを顕す
どこか自慢げな顔ぶれ。
.
.
どっしりと流れる時間
滲み出す風情、彩り溢れる。
文化があり、自然がそこにある。
.
移ろう四季の一瞬を切り取った
躍動感のある日本の原風景。
.
.
染み入るような秋の寂しさを
慰めるような温もり優しさ。




✥

bouchon nemo
✥
.
見
感覚をさらう。
.
.
無花果、バルサミコ、
生ハム、胡桃、マスカルポーネ。
.
握り締めるように味わう。
.
じわじわと湧き立つ興奮。
入り込む秋風が拭っていく。
.
.
残る無花果の余韻に頭が呆っとする。
.
心の中は空っぽで、
解けるような繊細さが
ふわふわじんわりと広がっていた。.
.
.
しのびよる師走。
全てから自分をさらってくれる場所が
なによりも恋しくなる。




✥

ビストロアライブ
bistroalive
✥
.
見えない鍵をそっと渡された気分。
.
.
否が応でも取り戻しつつある
日常の様相。
.
空白みたいな気持ちで
車内から空を見上げる。
.
.
辿り着いて開いたその場所には、
予期せぬヒカリが待っていた。
.
.
素材を伝う
多感覚的なアプローチ
.
骨太なビストロにひとつまみの
アジアのエッセンス。
.
活きたスパイス、ハーブ、みなせ牛
素材の質感、余韻ゆたか。
.
体の芯が暖まり、
心が沸き立っていくのを感じる。
.
.
生き生きとしたその姿を
眺めていたら
全部がもうどうでもいいやって
思えて来るんです。
.
美味しいものを食べて
明日笑えればそれでいい。
.
.
どこか許しを与えられたかのような安堵感
.
.
日常の延長線上にある温かい光。
.
扉の向こうにある輝きに
無意識に手を伸ばす。




✥

RELAiS Sakura 桜新町ルレ・サクラ
✥
.街に育ち 街を育つ。
人に寄り添う街の止まり木。
.
.
閑静な夜 道ゆく二人。
季節が足早にさせる
つないだ手を大きく振って。
.
向かう先は一つのビストロ。
.
.
変わっていくのはいつも景色。
.
.
いつしか二人に子どもが生まれた。
.
幼稚園の迎えに立ち寄る
いつものカフェテリア。
.
ピアノ発表会の後の
ご褒美フレンチ
今日のパスタはなんだろな。。
.
.
いつしか子どもは大人になった。
.
気兼ねのない友人と
ちょっと背伸びしたシャンパン。
.
彼と両親を連れて向かう
馴染みのレストラン。
.
酌み交わすワイン。
息子が出来たような感覚に父の顔がほころぶ。
.
.
そしていつしか子どもが生まれた。
.
おじいちゃんおばあちゃんといく
いつものお店。
苦手な野菜もここならがんばれる。
.
帰り道
みんなでつないだ手を
大きく振って。
.
.
変わっていく景色と変わらないこの場所。
.
.
人に寄り添い温もりを育む。
.
人が寄り添い想いを灯す。
.
.
この街をそっと見守る
みんなの止まり木。




✥

銀座くらはし
✥
.その身に宿す熟成させた時間。
.
.
子持ち鮎、落葉。
ゆらりゆらりと舞い、落ちる。
.
揺れる水面、撫でる色なき風、波紋。
凛として、ピンとして、透明。
.
澄んで冴え渡る
深い秋色。
.
.
熟かせた時間が
磨き上げた想いが
色濃く露出する。
.
色が伝える温もり恋しさ
内包した豊かな滋味。
.
.
山風が運ぶ、
無意識的な感動に
包み込まれる。




✥

bistro-confl.
駒沢大学
✥
.足元から伝わる温もり。
じんわり、ほっこり、ゆったりと。
.
.
落ち着いた木目のカウンター
触れてみたくなる電球の温度感
使い込んだ風合いのある黒板
丁寧に作り込まれた食材の力を感じるひと皿。
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見落としそうなほど小さな特別達が、心をそっと撫でつける。
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店内からこぼれ出る灯りは道ゆく人の心までも癒す。
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嗜み、味わい、安堵する。
日常に寛ぎを添えてくれるのは、きっとこんな場所。
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○野菜のアミューズ3種盛り
○いくらのマデラ酒漬け
○馬肉のタルタル -フレンチフライ-
○モンサンミッシェル ムール貝 白ワイン蒸し
○夏鹿モモ肉のロースト マデラ酒のソース




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IRORI
〜炭火焼きと自然派ワイン〜
読売ランド前
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細く長く、暖かい雫を、
ゆっくりと噛み締めながら流し込む。
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酔うというのは身体が夢を見ること。
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厚みのある木目のカウンター
年輪が創り出す模様
つい手を遊ばせたくなる。
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店内の基調はエメラルドグリーン。
陽の光に優しくせせらぎ、
夜の帳にそっと寄り添う
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華やかながら、自由である。
実直ながら、遊びがある。
筋が通っていながら、隙がある。
清澄でありながら、温もりがある。
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取り囲む和らぎの囲炉裏
温もりに手を伸ばすように味わう。
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夢見心地で暖を取る。
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○シャインマスカットのカプレーゼ
○燻製鴨とマッシュルームのサラダ
○モンサンミッシェルムール貝の白ワイン蒸し
○厳選牛の炭火焼き タリアータ仕立て
○レモンのトマトクリームパスタ
フェットチーネ
○ピスタチオのジェラート




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L'AVANT-GOÛT ラヴァン グゥ
二子玉川
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繋ぐ両手。国境を越え、
優しく届くバスクの風。
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荘厳な自然を内包するピレネーの山々、
恵みを含んだ風は、大地に実りを育み、
やがて陽光の港町に届く。
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フランスとスペインの間で
両国のエッセンスが混ざり合い
磨かれてきたバスク地方の料理。
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二子玉川の地でモダンに再解釈される
豊かな山海の食文化。
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積み重ねたフレンチの堅牢さの上に成り立つ、
どこか馴染みを感じさせるバスクの懐深さ。
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味覚ごと空間を優しく包み込む。
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様々な食文化と手を取り合う
日本の食感覚にも違和感なく優しく寄り添う。
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遠く離れたこの地で香る滋味豊かな欧州の風。




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沖縄アグー豚と古酒泡盛 はいばな(南風花)
恵比寿
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釣り糸たらして空を見る
浅瀬に浸かり海を見る
遠くに響く団欒の声
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腰肩、行く末へと沁み込んで行く淡い夏の憧憬。
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清澄で癖がなく、
まるで沖縄の水や空気を液体にしたような
爽やかな味わいが、体の熱を拭い去ってくれる。
冷房の効いた店内で飲むひと口目のそれは、
まさに至高の一杯
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グラスを持ち上げ、
店の灯りにかざしてみせる。
透き通る光がグラスと氷を
ゆらゆらと幻想的に煌めかせる。
その奥に映る笑顔は、
日頃の感謝を伝え合う優しい時間。
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沖縄の優しい空気に包まれる
今は遠く憧れる
楽園きわまりない景色。




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